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クラウド型電子カルテのデメリットを徹底解説|導入前に知るべきポイント

読了時間: 16分

クラウド型電子カルテは、導入コストや場所の制約を抑えられる一方で、「止まったらどうするか」「情報漏えいは大丈夫か」といった不安もつきまといます。この記事では、デメリットをできるだけ具体的に言語化しつつ、制度やデータの視点も踏まえて整理します。開業医や医療機関の担当者が、クラウド型のリスクを冷静に把握し、自院に合う選択と検討プロセスを描けるようにすることが狙いです。

1. クラウド型電子カルテのデメリットを理解する目的

1.1 クラウド型電子カルテの導入が進む背景と現状

クラウド型電子カルテは、サーバーを自前で持たずに始められることから、中小規模の医療機関や診療所を中心に、導入の選択肢として検討される場面が増えています。オンプレミス型に比べて初期投資を抑えやすく、アップデートやバックアップをベンダー側で担う仕組みが一般的です。加えて、オンライン資格確認や電子処方箋など、外部システムとの連携を前提とした制度設計が進んだことで、インターネット接続を前提とするクラウドサービスとの相性が高まっています。一方で、導入済みの施設からは「通信障害時の業務継続」「ランニングコスト」などの懸念も聞かれます。

1.2 デメリットだけでなく全体像を把握する重要性

クラウド型には確かにデメリットがありますが、それはオンプレミス型にも別の形で存在します。重要なのは、クラウド型かオンプレミス型かという二者択一ではなく、自院の条件に対してどのリスクを許容し、どの対策を取るかを考えることです。データの所在、セキュリティ、障害発生時の運用、費用構造、ベンダーとの関係性など、論点は多岐にわたります。デメリットに目を向けつつも、制度面の要請や将来のDX戦略との整合性も含めて、全体像で評価する視点が欠かせません。

2. クラウド型電子カルテの仕組みとオンプレミス型との違い

2.1 クラウド型電子カルテの基本構造とデータ保管方法

クラウド型電子カルテは、院内にサーバーを設置するのではなく、インターネットを通じてベンダーが運用する環境に接続し、診療記録や検査結果、処方情報などを管理する仕組みです。利用者はパソコンやタブレットから画面を操作しますが、入力したデータは基本的にデータセンター側に保存されます。

クラウド型で確認しておきたい主な項目は、以下のとおりです。

  • データが保管される場所や管理体制
  • バックアップの頻度と復旧方法
  • 複数拠点での冗長化の有無
  • 障害発生時の閲覧・入力対応

これらは、万が一のトラブル時に業務を継続できるかを判断するうえで重要な確認事項です。

サーバー管理の負担を抑えやすい一方、データの保管方法や復旧体制は提供サービスによって異なります。導入時には、機能や料金だけで決めるのではなく、重要な診療データがどのように守られ、必要な場面で利用できるのかまで確認しておくことが大切です。

2.2 オンプレミス型電子カルテとの運用・管理の違い

オンプレミス型電子カルテは、医療機関が院内に設置したサーバーへシステムを導入し、院内ネットワークを通じて利用する方式です。薬局側で電子薬歴システムや薬局システムを運用する場合も、院内・局内設置型とクラウド型では管理負担や障害対応の考え方が異なります。サーバーや関連機器の準備、更新、バックアップ管理などを自院側で行うか、委託先と連携して運用します。一方、クラウド型では、システム基盤の維持管理をベンダー側に任せる範囲が広くなります。

方式によって、管理負担のかかる場所や運用上の自由度が変わります。

クラウド型は管理業務を軽減しやすい反面、障害対応やアップデート時期を細かく調整しにくい場合があります。対してオンプレミス型は自院に合わせた運用を組み立てやすいものの、維持管理の体制が欠かせません。どちらが適するかは、院内のIT対応力や業務継続の考え方を踏まえて検討する必要があります。

2.3 ハイブリッド構成など近年の選択肢の概要

電子カルテの導入形態は、クラウド型とオンプレミス型の二択に限られません。近年では、データセンターを活用しながら院内にも一部の情報や機能を残すハイブリッド構成も検討されています。たとえば、通常時はクラウド上で情報を管理し、通信障害時には院内側の仕組みを用いて必要な情報を確認できるようにする考え方があります。

想定される構成例は、以下のとおりです。

  • 電子カルテはクラウド、レセコンは院内設置で運用する
  • 主要データはクラウドに保存し、一部を院内で参照可能にする
  • 障害時に限定的な業務を継続できる仕組みを設ける

複数の仕組みを組み合わせる場合は、連携範囲と緊急時の対応手順を事前に揃えておくことが欠かせません。

ハイブリッド構成は、通信障害への備えや既存システムの活用を考えやすい一方、管理対象が増えることで運用が複雑になることもあります。導入前には、どのシステムがどの情報を扱うのか、障害発生時に誰が対応するのかを整理し、自院・自局で無理なく運用できる形を選ぶことが重要です。

3. クラウド型電子カルテの代表的なデメリット

3.1 通信障害や回線トラブルによる業務停止リスク

クラウド型の代表的な懸念の一つが、通信障害時の業務継続です。インターネット回線が途絶えれば、電子カルテへのアクセスそのものができなくなる可能性があります。ベンダー側のデータセンター障害だけでなく、院内のルーター故障や地域的な回線障害など、影響要因は多岐にわたります。

  • 院内・院外双方のネットワーク障害に対する脆弱性
  • 障害発生時の閲覧専用モードや紙運用への切り替え手順の必要性
  • 回線の冗長化(複数回線契約)やモバイル回線のバックアップ準備

といった具体的な検討が欠かせません。「止まることはある」という前提で、どの程度までなら業務を継続できるかを事前に設計しておくことが、クラウド型を選ぶ際の前提条件になります。

3.2 セキュリティと個人情報保護に関する不安と実際の論点

医療情報は機微性が高く、情報漏えいへの懸念は当然のものです。クラウド型では「データが院外にある」ことから不安が増幅されがちですが、実際の論点はより具体的です。データセンターの物理的な安全対策、通信の暗号化方式、アクセス権管理、多要素認証、ログ管理など、技術的・運用的な要素が組み合わさって全体の安全性が決まります。オンプレミス型でも、パッチの未適用や不十分なアクセス管理などがあればリスクは高まります。重要なのは、どのようなセキュリティ対策がどのレベルまで講じられているかを、仕様書やガイドラインへの適合状況で確認することであり、「クラウドだから危険」「オンプレミスだから安全」といった単純な対比ではありません。

3.3 月額課金による長期的ランニングコスト負担

クラウド型は初期導入費が抑えられる一方で、月額課金が続くため、長期的なランニングコストの負担が気になります。ユーザー数やオプション機能の追加に応じて料金が変動する料金体系も多く、数年スパンで見た場合にオンプレミス型とどちらが有利かは一概に言えません。

  • 月額利用料と、端末・ネットワーク・周辺システムにかかる費用の全体像
  • 利用年数を伸ばした場合の累積費用のイメージ
  • 将来の機能追加やユーザー増による料金変動リスク

などを整理しておくと、コスト面での後悔を減らせます。

  • 導入から5年・10年などの期間を想定した総費用の試算
  • ベンダー側の料金改定方針や契約更新条件の確認
  • オンプレミス型にした場合の更新費用・保守費用との比較軸の明確化

こうした観点を踏まえ、初期コストだけでなくライフサイクル全体での費用対効果を評価することが、クラウド型のデメリットを適切に把握する鍵になります。

3.4 ベンダーロックインとサービス終了時のデータ移行課題

クラウド型では、データ形式やAPI仕様がベンダーごとに異なるため、他社システムへの乗り換え時にデータ移行が難航する可能性があります。ベンダーがサービスを終了したり、自院・自局が別システムへ移る判断をした場合、カルテデータや帳票類をどの形式で、どこまで移せるのかが問題になります。契約段階で、データエクスポートの範囲や形式、費用負担、サポート内容を確認しておかないと、結果的に高い移行コストを受け入れざるを得なくなることもあります。「いつかは乗り換えるかもしれない」という前提で、出口の条件まで含めて契約内容を見ておくことが、ベンダーロックインのリスクを抑えるうえで重要です。

4. 制度と運用面から見るクラウド型電子カルテのリスクと留意点

4.1 医療情報システム安全管理ガイドラインとクラウド利用の前提

医療情報システムの安全管理については、厚生労働省がガイドラインを策定しており、クラウドサービス利用に関する章も整備されています。ここでは、医療機関・薬局が担うべき管理責任と、クラウド事業者に求められる要件が整理されており、契約や運用の際のチェックリストとしても機能します。たとえば、データの所在国、暗号化、アクセス制御、ログ管理、障害時の対応手順などが論点として挙がります。クラウド型のデメリットを「なんとなく不安」で終わらせず、ガイドラインに照らして何が満たされていて、何が追加で必要かを確認することが、実務上のリスク管理には不可欠です。

4.2 災害・サイバー攻撃など事業継続リスクへの備え方

クラウド型電子カルテのリスクは、日常的な通信障害だけでなく、災害やサイバー攻撃といった事業継続の観点からも捉える必要があります。特に近年は、ランサムウェアなどによる医療機関のシステム停止事例も報告されており、事前の備えが重要です。

  1. 想定するリスクシナリオを列挙し、クラウド側・院内側それぞれの弱点を把握する
  2. 障害や攻撃発生時の連絡ルート、責任分界、復旧手順をベンダーと共有する
  3. 紙運用への切り替え基準や、最低限参照すべき情報のバックアップ方法を決めておく
  4. 定期的な訓練やマニュアルの見直しを通じて、現場で実行可能なBCP(事業継続計画)に磨き上げる

こうしたプロセスを通じて、クラウド型ならではのリスクを前提にしたBCPを整備することが、単なる「システム導入」から一歩進んだDXとしての電子カルテ運用につながります。

5. 開業医・薬局経営の視点で見るクラウド型電子カルテのデメリット

5.1 電子処方箋・レセコン・調剤システム連携で起こりやすい問題

医療機関の電子カルテは、医事会計システムや電子処方箋管理サービスなどとの連携が必要になる場合があります。また、電子処方箋を運用する場合は、薬局側の薬局システムや電子薬歴システムとの情報連携も確認すべき論点になります。クラウド型の場合、インターネット経由での連携や、異なるベンダー間のAPI連携が増えるため、仕様の違いやバージョンアップ時の不整合が課題になりがちです。処方情報の連携遅延や、項目のマッピング不備による入力ミスリスクなど、現場のオペレーションに直接影響する問題も起こり得ます。連携先システムがオンプレミスかクラウドかによっても構成は変わります。導入前の段階で、どのシステムと、どの方式で連携するのかを具体的に確認し、テストの範囲と責任分界を明確にしておくことが、後のトラブルを減らすうえで欠かせません。

5.2 ワークフロー適合性と現場負担増につながる落とし穴

クラウド型の画面は、ブラウザベースで設計されていることも多く、レスポンスや画面遷移の設計が現場のワークフローと噛み合わないと、入力負担や待ち時間が増えることがあります。特に、診察室と処置室、受付・会計など、複数の場所で同時にカルテを参照・入力する場面では、操作ステップや権限設定が業務の流れに直結します。導入前のデモでは見えにくい部分も多く、実際に運用してから「想定よりもクリック数が多い」「必要な情報にたどり着くまで時間がかかる」といった声が出ることもあります。システム側に業務を合わせるのか、業務側を見直すのか、そのバランスをどこに置くかを事前に議論し、現場の代表者を巻き込んだ評価プロセスを設けることが、クラウド型の導入で後悔しないための鍵になります。

5.3 導入前に確認したいチェックポイント一覧

クラウド型電子カルテのデメリットを抑えつつ導入するには、事前の確認項目を整理しておくことが有効です。以下は、一例としてのチェックポイントの整理です。

自院・自局にとって優先度の高い観点を明確にし、このようなチェックリストをもとに複数ベンダーを比較することで、クラウド型特有のリスクを見落としにくくなります。

6. クラウド型電子カルテのデメリットを抑える選び方と検討プロセス

6.1 ベンダー選定で確認すべきセキュリティとサポート体制

クラウド型電子カルテのデメリットは、ベンダーの設計と運用次第で大きく変わります。特にセキュリティとサポート体制は、導入後の安心感を左右する要素です。

  • 医療情報システム安全管理ガイドラインへの対応状況
  • データセンターの場所、冗長化、バックアップの頻度と保持期間
  • 障害発生時やサイバー攻撃時の連絡体制と復旧プロセス
  • 電話・メール・リモート接続などサポート窓口の種類と対応時間

といった点を、仕様書や契約書のレベルで確認することが重要です。

  • 導入後の運用相談にどこまで応じてもらえるか
  • バージョンアップ時の影響範囲と事前告知の方法
  • 自院・自局のITリテラシーに合わせたサポートが得られるか

これらを踏まえ、「機能比較」だけでなく「セキュリティとサポートの質」を同じくらい重視することが、クラウド型のデメリットを抑える選び方につながります。

6.2 自院・自局の診療スタイルとDX戦略に合うかを見極める視点

クラウド型を選ぶかどうかは、単に技術的な問題ではなく、自院・自局の診療スタイルやDX戦略との整合性の問題でもあります。外来中心か在宅医療を多く扱うか、薬局であれば対物業務と対人業務のバランスをどう変えていきたいかによって、求められる機能や連携範囲は変わります。将来的にオンライン診療やオンライン服薬指導などを視野に入れている場合、クラウド型の方が外部サービスとの連携を進めやすい場面もあります。一方で、院内・局内で完結させる業務が大半であれば、オンプレミス型のメリットも依然として存在します。医療機関では将来の診療体制を、薬局では服薬指導や調剤業務を含む運用体制を見据え、中長期のDX方針を描くことが重要です。その中でクラウド型システムをどのように位置づけるかを考えることが、後戻りの少ない選択につながります。

6.3 シミュレーションで検証したい費用対効果と将来拡張性

クラウド型電子カルテの採否を決める際には、費用対効果と将来拡張性をシミュレーションで検証しておくと判断材料が増えます。初期費用と月額費用だけでなく、スタッフ数や患者数の増減、機能追加や外部連携の有無など、複数のシナリオを想定することが有効です。たとえば、現状の診療体制を前提とした場合と、将来のDX施策を織り込んだ場合とで、必要な機能や費用がどの程度変わるかを比較します。これにより、短期的なコストだけでなく、中長期の収益構造や業務効率への影響を含めて投資判断ができるようになります。また、将来の制度変更や報酬改定に伴い必要となる機能へ柔軟に対応できるかも、拡張性の観点から重要なチェックポイントです。

7. 電子カルテ・薬局DXの検討にDATA SPEAKSを活用するメリット

7.1 電子カルテ導入を検討する際に確認したい情報

クラウド型の電子カルテや電子薬歴システムへの切り替えを検討する医療機関・薬局では、利便性だけでなく、費用負担や制度変更への対応、経営への影響まで見通したうえで判断したいと考えるケースがあります。DATA SPEAKSは、医療・薬局業界に関するデータをもとに、導入判断で確認したい論点を整理するための情報を提供しています。

導入前に確認しておきたい主な観点は、以下のとおりです。

  1. 初期費用や月額費用が経営に与える影響
  2. 調剤報酬や医療制度の変化との関係
  3. 業務効率化によって削減できる負担
  4. クラウド型を利用する際の管理上の注意点

こうした要素を整理することで、漠然とした不安を抱えたまま判断するのではなく、自院・自薬局の運営方針に合う選択肢を検討しやすくなります。電子カルテを単なる設備投資としてではなく、今後の業務体制を整える手段として捉えるための材料を得られる点が特徴です。

7.2 厚生労働省データと専門家の知見を組み合わせた分析の特徴

新規開業や薬局DXを進める場面では、医療機関における電子カルテや、薬局における電子薬歴・調剤システムを切り離して判断するのではなく、収益計画や患者対応、周辺システムとの連携まで含めて検討する必要があります。DATA SPEAKSは、医療・薬局経営に関するデータを通じて、これらのシステムが事業全体の中でどのような役割を担うのかを考えるための情報を整理しています。

複数の視点を組み合わせることで、電子カルテのデメリットを単なる不便さとして見るのではなく、制度対応やDX推進との関係の中で捉えやすくなります。導入による負担と期待できる変化を比較し、自院・自薬局にとって妥当な判断につなげるための情報源として活用できます。

7.3 医療・薬局DXの検討に関連情報を活用する視点

新規開業や薬局DXを進める場面では、電子カルテだけを切り離して判断するのではなく、収益計画や患者対応、周辺システムとの連携まで含めて検討する必要があります。DATA SPEAKSは、医療・薬局経営に関するデータを通じて、電子カルテが事業全体の中でどのような役割を担うのかを考えるための情報を整理しています。

検討項目の例は、以下のとおりです。

  • 診療圏や競合状況を踏まえた開業計画
  • 導入費用と将来的な運用負担の見通し
  • 調剤システムやオンライン服薬指導との連携
  • 業務効率化や患者対応の改善につながる可能性

これらを一体的に確認することで、クラウド型電子カルテの注意点だけに目を向けるのではなく、開業後の運営やDX方針との整合性を見ながら検討できます。電子カルテを経営やサービス提供を支える仕組みの一つとして位置づけ、導入の優先度や必要性を判断しやすくする考え方です。

8. クラウド型電子カルテのデメリットを踏まえた次の一歩を考える

クラウド型電子カルテのデメリットを理解したうえで重要なのは、結論を急ぐのではなく、まず、医療機関では診療ワークフロー、薬局では調剤・服薬指導を含む業務フローの課題を整理することです。どこにボトルネックがあるのか、将来の診療内容やDXの方向性をどう描いているのか、制度・報酬の変化にどう対応したいのかといった点を、関係者と共有します。そのうえで、クラウド型とオンプレミス型、あるいはハイブリッド構成のそれぞれについて、業務・コスト・リスクの観点から比較検討していきます。デメリットを「あるもの」として前提に置きつつ、それを許容できる条件や対策を具体化していくプロセスこそが、医療機関にとっては電子カルテ、薬局にとっては電子薬歴システムや関連システムの、納得感のある選定につながる一歩と言えるでしょう。

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